この柔らかなカーブを描いた皿は高台(こうだい)が高く、木盃(もくはい)と呼ばれる形をしている。この高台には櫛歯状(くしはじょう)と呼ばれる線が等間隔に描かれている。この非常にオリジナルな三個の壷は、鍋島焼独特の表現であり、優れた繊細さと、装飾性における明快な構成を示している。これらの要素は1680年頃に定まった様式上の方式にしたがったものであり、鍋島の磁器特有の美しさに磨きをかけたものである。この様式の磁器は、その深い自然感、大胆な構成、色調の選び方を錦絵から取り入れている。その製品には、色素の材質や釉薬によってさまざまな種類がある。多色の装飾のものは鍋島焼の最も洗練された様式を代表するもので、主に青、緑、黄、それとしばしば主なモチーフの花に用いられた赤などを使用したものである。
 この素晴らしい形を作り上げる鍋島焼の技術には、注意深く材料を選ぶことや、各製造工程を完成させることを必要とした。酸化コバルト・ブルーによる絵付けは模様の輪郭を描くことにある。これに釉薬をかけ1350 ℃の高火度で焼いた後、その釉の上から緑や赤の顔料を使って上絵付けをし、850℃の低火度で再び焼く。
 鍋島焼の形は日本の磁器のなかで最も完璧な形をしている。事実、19世紀の資料には、その製品は売買されたり、外国に輸出されたことがなく、将軍家や諸侯の用に供したものであったことが記されている。